6月8日、7回目のワークショップ。最終回です。
実施内容
ここまでやってきたことを、ペーパープロトタイプを使って評価(検証)します。評価するプロセスをプロトタイピングといいます。
いつもどり、最初にひととおり講義。ペーパープロトタイピングといっても、様々な種類があります。必要な時に、必要な引き出しを。
前回までに作成されたインタラクションシナリオを、まずは画面におこしていきます。あくまで検証のためですので、ワイヤーフレームで十分です(むしろそのほうが適している)。
一方で、アクティビティシナリオは、タスクごとに「タスクシート」として作成。
アクティビティシナリオをタスク単位で紙に起こします。そこにはシナリオとそのときの情景を写真またはイラストで記述。
これら二つを上下に対応させて貼っていきます(左から右へ時間軸で並べる)。これがストーリーボード。ストーリーボードを使ったプロトタイピングを「ストーリーボーディング」といいます。
いざ作って貼り出してみると、「アクティビティ」と「インタラクション」があいまいな班がチラホラ。これは・・・難しい!特に、自分たちが長らく作ってきたものだと、アクティビティシナリオにわざわざ戻すのが至難です。また、彼らが取り扱っているような、「いくつかのステークホルダーやサブシステムが複雑に関与する」プロダクトを、自然なアクティビティとして表現するのがまたレベルが高い。
思ったより難航し、冷や汗をかきました。
それにしてもビジョン提案型にそのままそってやるのは、プロダクトデザイン経験者でないと、初心者には難易度が高いですね。使われている用語も誤解しやすいですし。ということで、考え方はそのままに、各社簡略化した形式で「なんちゃって構造化シナリオ」運用しています。
さて、ストーリーボーディングについて。
具体的には、これまで作ってきた「アクティビティシナリオ」および「インタラクションシナリオ」(実際には「インタフェース」におとした状態とする)を並列に並べます(ストーリーボード)。
アクティビティシナリオは、「特定の人が、特定の状況下で、特定のゴールを得るため」に満足する状況の定義であり、テクノロジーに依存しない、ユーザーの本質的要求に基づいたシナリオです。
インタラクションシナリオは、「ビジネス要求(方針とリソース制約)」「現存テクノロジーという制約」という縛りの中で、もっともユーザーの効率や満足度が高くなるよう、ユーザーとプロダクトのインタラクションを含めた形で記述したシナリオです。アクティビティシナリオを実際のプロダクトの利用体験としてデザインしたもの、と言い換えることもできます。
ストーリーボードを作ったら、初見の人に、「ペルソナ」および「アクティビティシナリオ」にそって、ワイヤーフレームを操作してもらいます。
ここで気づけることとしては、
- そもそもアクティビティシナリオが不自然(「この場面でこんなこと思うわけがない」等)
- アクティビティシナリオとワイヤーフレームが不一致(理解不能、操作不能、等)
といったことです。
ワークショップに参加していただいたチームのいくつかは、「既存のプロダクトありきで、細々としたインタフェースの問題を中心に検討や作業がなされている」状態。一歩下がってアクティビティからきちんと見つめられるように促したりしましたが、これは難しかったです。
このままでは、「なんだこれ」みたいな不満足な着地になるのでは・・・と焦りましたが、アンケート結果では満足度はどのチームも大きく、 実務に活かせた、活かせそうだ、との声があり、大変よかったです。これらの調査結果は社内にフィードバックしつつ活かしていく。
何がよかったのか、また個々がどう活かしていくのか。振り返りと取り組みを続けていきます。
終了後
打ち上げ。 神泉の大好きな店へ。安い。うまい。赤ちゃんかわいい(もう大きくなってたけど)。この立地で、あれだけ食って飲んで3千円を切るというのはありがたい存在。誰にも教えたくないですw
そういえば新卒のタカラが先生にアタックしてかなり話し込んでたな。やるな。
L社のFさんがハブ酒を注文。
お酒の中にはハブの破片・・・。
本人いわく、「おいしい」と大層気に入っておられました。あ、そうそうご結婚おめでとうございます。スピード婚ですね。
さてさて、今回で全7回のワークショップが終了しました。
浅野先生、ありがとうございました。
早くも参加者から「これ、実際に業務でやりたい」「ここをもうちょっと深く理解して使えるようになりたいから講習会をしてほしい」という声をいただいています。ありがたいことです。事業部内にデザインについて、うまく初速をつけることができたと思います。ここからが自分の胆力。効果的に進めていきたいと思います。
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