4月24日(火)、いってきました。プレゼンターは4名。コンセントの長谷川さん&河内さん、アクアリングの平野さん、そして楽天の坂田さん。
これだけ価値のある情報をシェアいただけるのは、大変ありがたかったです。
スライドはこちら。
IA Summit 2012 でのスライド集大成がこちら。坂田さん提供。
http://www.scoop.it/t/user-experience?tag=ias12
コンテンツ
トピックごとに、順番に紹介される形式。まずは”Contents”。主に”Content Strategy”についての話でした。
僕が特に気になったのは、”meta library” あるいは “meta data”のはなし。コンテンツをセマンティックにmetaでマネジメントする。APIを用意する。すると、提供段階でのユーザー体験の向上を、少ないコストで実現できる。というもの。
特にデバイスやチャネルがマルチになっていく現在は重要性を増しているわけです。
meta dataのマネジメントのほうが結構気になって、どんな工夫がされているのだろうか?と思いました。このあたり、最後に羽山さんからも質問が上がっていましたが、そこまで突っ込んだ話はなかったそうです。そこが知りたかった!(笑)。IASのトピックとは少しズレてきますけどw。
例えば、坂田さんの会社の、市場のほうや、僕がいま担当しているメディアって、メタデータが最初から膨大で、かつどうメタをつけるかということも激しく変化します。ので、そのあたりを担当している人はすでに死にたくなったりするわけです(逆にそれが面白かったりもしますが)。
たぶん紹介されていたのはbrick&mortarなメディアが実施して、「成功事例だぜ!」と発表だと思うのですが、最初からデジタルメディアとしてエンジニアリングしているケースが多い昨今、若干枯れた話題感がありました。
その場では、NFLのコンテンツがmeta data、クロスチャネルでの成功事例として紹介されていました。でも、NFLのメタの作り方って比較的staticであろうし数も多くなさそう。比較的開発もやりやすそう。
僕が欲しているメタメタした話は特殊事例のようですが、誰もが他力コンテンツで大きなメディアを作れるこの時代、そうでもないと思うんですよね。データの内容が、限りなくコンテンツと検索が融合しちゃってる中での価値の出し方の話も、メディアの人間で集まってしてみたいな。と思ったのでした。
IA Summitよりも、Pubcon寄りな話かもしれませんw。
Margot Bloomstein のセッションでは、彼女の本Content Strategy at Work: Real-world Stories to Strengthen Every Interactive Project について紹介されてました。待てないのでKindleでゲット。
彼女のセッションの話で自分に突き刺さったのは、「Single-Message」という言葉。Single-messageをcustomerにdeliverするために、どうContents&Channelを構成するのか。基礎的な話題ですが、自分が出来てなさすぎてかぶりついてしまいました。ありますよね、海外カンファレンスいって一番の収穫は、基礎ができてないと気づくことだった、とか。知識として知っているけどやってないことの重要性が身に染みる、とか。うん、あるある。
NextIA
モデル化するときに、Feedback Loopという概念を入れる。シナリオを視覚化するときは、一方通行のフローチャートのような流れ(ジャーニーマップとか)しかやってなかったんですが、これを織り交ぜると見落としが減ると思いました。
Information is Cheap, Understanding is Expensive.
ただこの言葉が刺さったのでメモ。
Mapping the Experience
このReduxで最初から最後まで通して出てきた言葉、それが「マルチチャネル」。クロスチャネルとどう違う?みたいな説明もありました。
それぞれの概念について説明が、浅野紀予さんのブログで紹介されています。
クロスチャネル、クロスメディア、マルチチャネル: どこが違う? « IA Spectrum
さて、「Mapping the Experience」ということで、Experienceをいかに視覚化するか?というトピック。ここでも、チャネルをどう表現するか、などの表現手法の試みが紹介されていました。
理解しきれなかったのですが、面白そうです。
プレゼンターの皆さんも触れられていましたが、「これって構造化シナリオ法だよね」、みたいのもあって、バリューシナリオ、アクティビティシナリオ、インタラクションシナリオ、といった構造と使い方が頭に入っていれば、あとは表現手法は各自が使いやすいように変化していくという昨今な印象。
自分はUXDの手法は、当面進展しないと割りきっています。UX自体の検証コストが下がらないからです。UXとかいわれるようになっても、検証はUXではなくユーザビリティテスト止まりです。
よって、設計側の進化といっても、ペルソナシナリオ法をやるときのドキュメントの名前だけがどんどん変わって(ジャーニーマップとか)いって、今検証できることの蓋然性を上げるのがMAXだと思ってます。
だからダメだというわけではなくて、価値はあって、ビジネスにおけるデザインプロセス改善の価値は、プロジェクトの成功確率の話だと思っています。平たい表現でいうと、「見落としを無くす」のようなところにあったりするわけで。
Experienceというのは時空の変化とともに構成されています。よって無限の切片があるわけですが、このなかでユーザーの利用意欲醸成とビジネスシーズをマッチさせながらプロダクトを構成していくのは所詮人間の能力の限界を超えているわけですので、うまく視覚化して整理しながらすすめるツールが必要なわけです。
最後に坂田さんが紹介していた、AdaptivePathのCustomer Experience Journey Map は、ビジネス側とのtouch pointを明確にしながら進めるということで、そのあたり、チームで作業していくにあたってシンプルで秀逸なツールかもしれないと思いました。
実は現場でUXデザインに関わる人が感じている課題は、ビジネスをどうデザインするか、だったりするわけです。UXデザインのプロセスは、ビジネスプランを描くのと同義であるケースすらあります。そこでは、ビジネスシーズを中心に、ユーザー&コンテキストというOpportunityに対して作業を進めていくわけですが、さらに細かくビジネスチャンスを検討する必要も発生します。
そこでは、事業判断を頻繁に入れたくなるチームの状況があり、作業の揺り戻しが繰り返されます。決して一人で、一方通行に進むものではありません。
誰もが理解しやすいビジュアライズと、更新に耐えうる柔軟性、本質を見失わないシンプルさがアウトプットとして常に求められます。そんな背景から、UXデザインとかいって気取った連中は、次から次へと似たようなダイヤグラムが開発されては盛り上がったりするわけです。僕自身も正直食傷気味ですが、何せこういう事情なもんですから、今後とも僕らを生暖かく見守っていただければ幸いです。
逆に、インタラクションデザインであったり、インタフェースのデザインであれば、ビジネスシーズを意識して仕事をする必要がありますが、ビジネスシーズをチャンスに変えることを考える必要はないに等しいでしょう。
懇親会参加できずに今回は残念でした。質問したいこともあったりして。
でも、仕事の内容をメタ認知できるきっかけとなり、またやりたいことが出てきました。
プレゼンターの皆様、KDDI Web Communicationsの皆様、ありがとうございました。
関連リソース
坂田さんブログ IA Summit 2012 Redux in Tokyo – SEPARATE KS
村越さんブログ IA Summit Redux Tokyo2012に参加してきました。 | future-proof.jp
USTREAM
コメントを投稿するにはログインが必要です。