3月31日に開催された、『xb法をワイワイ振り返り』に参加してきました。
主催者は aiithcd2011 (産業技術大学大学院人間中心デザイン履修証明プログラム2011年度参加者)コミュニティの皆さん。
今回はその彼らが受講した発想法のひとつである「XB法」を振り返るという主旨で開催されたようです。
XB法(くろすびーほう)とは?
U’eyes Designとデンソーが共同開発研究した「感動体験デザイン手法」です。詳しくはこちら。
XB法 | U’eyes Design Inc.
開発者の三澤さんによる記事 アイデア発想法 XB法/クロスビー法 – コトデザイン
人々がもつ「感動体験」を分析した結果を型に落としこむことに成功。そしてその型に無理やりあてはめて発想することで、「普通に考えてるだけでは思いつかない」まったく新しい感動体験の「シナリオ」を生み出すことができる。というものです。
LEXUSの開発のときに、メーカーからデンソーさんが「なんか今までと違う感じの提案くれよ」的なことをいわれたのが開発の経緯だった。かのように僕の脳は記憶していますがまったくの風説かもしれません。
問題意識
実際の現場でいつ、どのように活かせる?
知った当初は、「XBスゲー!」と感動したものですが、それから1年半、実際の仕事の中で「これ使おう!」と思う瞬間はやってきませんでした。
得たこと
- 「感動体験」を意識してすすめたほうがいい
ふつーのアイデア出しになってしまう。 - バリューシナリオづくりに使える
構造化シナリオ法でいうと、バリューシナリオを出す段階で使う。「これ!」というバリューシナリオが導出できないときに、「じゃ、XBでもやっとく!?」という形で使えるかも。
実際の様子
今回、三澤直加さんは一参加者として参加(!)。そのため、てっきり最初に彼女からの解説があるのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。でも、ちゃんとした解説がありました。すばらしい。
それもそのはず、勉強会の運営メンバーは、「勉強会の鬼」の面々(勝手に命名)。参加者としても安心。
自分もイベント主催者として勉強になります。
(「勉強会の鬼」より「プロ勉強家」とかでもいいかも。「資格王」的な雰囲気。)
すぐに、グループごとにわかれてのワークショップ。
テーマ決め→ペルソナ設定→XBカード決め→具体化→シナリオ発想→サービスとして発表。
皆さん絵が上手。
反省としてはテーマがボヤっとしたので、アウトプットもボヤっとしたことでしょうか。
なぜかというと事業主体も不明な中、短期間で定義するのは難しかったので。
ワークショップはあくまでワークショップなので、ひととおり流れを体験できればよい。ということではあります。
でも「使える実感」「学びの深さ」を出すにはちゃんと準備したほうがいいかも?と今後のワークショップ設定について考える機会になりました。
「クリエイティビティは制約が生む」というのもありますし、僕の信念として「真のユーザー中心デザインはビジネスドリブンでしかありえない」というものがあります。ですので、今度XB法に触れる機会があれば、ビジネスシーズがリアルな形でやって「現場で使える実感」につなげたいと思います。
グループで進めている様子。
自分のグループでは、「男性がはじめて美容院にいく」ときの体験をデザイン。高校2年生が運動部も引退が近づき、髪の毛が伸びてきて、さあどうする!?モテたい!・・・などという設定。最後の発表ではアクティングアウト。ほぼ即興。楽しめましたw ありがとうございました。
実務で使える?
各グループがつくったサービス案の発表が最後にあったのですが、「なんか、しっくりこないな~」と思いました。
それは、「ぜんぜん感動体験じゃないじゃん」というもの。
以前XB法をやったときには、「強制発想で感動体験をデザインするとは、こういうことか!」という納得があったのですが、今回は「このアイデアなら、XBじゃなくてよくない?」というものばかりで、「どう?どうなのこれ?」と、振返り時にチームの方にご迷惑をおかけしました。すみませんでした(^ ^;
そのことについては、終了後に前回一緒にやった白澤さん、そして三澤さんとあーだこーだ相談しました。そのときにいただいた話としては、
- XB法で出す対象が具体的なものかどうか(今回はそれほど具体的で特定された箇所ではなかった)
- 「感動体験」の、瞬間的/長期的の違い
- 調査しっかりやって、ファクトに基づいていないと
がありました。
自分の中では、「ファクトはあるていど揃った。ネタになりそうなExtreme Usageもある。さて・・・」というところでこの方法が使えるのかなあと思います。
ワークショップ実施に尽力いただいた皆様、ありがとうございました。XB法、そしてデザインについて振り返るよいきっかけとなりました。
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