WebUX研究会 × ShibuyaUX HCD入門ワークショップを開催しました

2012年2月11日(土)12:00~18:00、株式会社VOYAGE GROUPにて、ShibuyaUX #9  「WebUX研究会 × ShibuyaUX HCD入門ワークショップ」を開催しました。

昨年の2月12日に開催したときと同様、「情報デザインフォーラム」「WebUX研究会」主宰の浅野智先生に講師としてお越しいただきました。
受講者の所属企業は、楽天、GMOメディア、リブセンス、サイバーエージェント、ミクシィ、VOYAGE GROUP、など。

参加者は45名、9グループに分かれて行うという大掛かりなものとなりました。
これはマズい、とShibuyaUXのメンバーにはTeaching Assistantとして各グループのファシリテーションを。受講者として参加しようとしていた楽天の周治さんにも、「あなたプロでしょ。入店お断りです。」とTAにまわってもらいました。


浅野先生。情報デザインの教育においては伝統芸能の域(私見)。

昨年は

昨年、第1回目を開催したきっかけは、ShibuyaUXの第1回目に興味をもっていただいた浅野先生にお声掛けいただいた、と記憶しています。

今回は、リブセンスの古沢さんより、「ぜひHCDワークショップに参加してみたい」とのことで、昨年末より検討がはじまり、 実施のはこびとなりました。30名程度の定員を考えていたので、外部告知なし、関係者内だけでの参加者募集となりました(それでも大幅にオーバーしてしまいました)。

昨年の様子

去年と今年の違いは、参加者の顔ぶれ。楽天からディレクター女子が多く送り込まれてきたため、女性率、ディレクター率がやたら高い会となりました。


女子率が通常より高め、しかもディレクター。だったらなんなんだ。

通常のShibuyaUXでは、デザイナー、エンジニア、ディレクターがこなれた割合で配合されているものなのですが。そのせいか、今回ワークショップの進行はどこかチャキチャキとした雰囲気でした。

プログラム

プログラムは、昨年とまったく同じ。

カップゼリーを食べるオブザベーション(観察)から、新しいゼリーのパッケージの提案までつなげます。

少しちがうのは、アウトプットを4コマ漫画とすること。
これにより、アウトプットそのものに、確実にストーリー性をもたせることができます。「モノ」に走りすぎず、「コト」の品質をある程度あげられます。
簡易ですが、ストーリーボーディングやアクティングアウトの入り口、と自分はとらえました。

それにしてもこれだけのことを半日で一気にやるのは大変です・・・。人数が多いため、このタイムテーブルより1時間開始を早めての実施でした。


はい、はじまりますよー!会場提供というのもあり、自然と仕切る。


約1時間のHCD概論講義がおわり、ワークショップへ。どうも、ワタクシこういうものです。


まずはゼリーをたべる様子の観察から。食べるひと(被験者)、観察者、モデレータに役割分担。
皆さんなかなか食べ始めない。ここは慎重にいく。


この日はテレビ局の取材で撮影も入っていました。


パクリ。う、うまい・・・。


もちろん食べてる様子は衆人環視。いえ、集中観察です。どっちもどっちですか。


観察者はどんどんオブザベーションシートに記入。


食べる前から、ゴミ箱に捨てるまでが観察です!


後ろに立っているのは、TAとしてヘルプしているミクシィの馬場さん、楽天の坂田さん。
この日は3名が3班ずつ受け持ってファシリテート。的確な助言。万全のサポート体制。


もちろんいつでも浅野先生に質問ができる贅沢設計となっております。


男も食う!


3人の観察が終わったら、シートの清書。


も、もしかしてiphoneで動画撮影したのを見ながら発話をおこしている!?
この真剣さ、惚れ惚れしますね。


シートができてきました。


こんどはカードソートで事象や課題の構造を視覚化。
初心者にはKJ法より評価グリッド。確かに。特にこれくらいのデータであればそれで充分。


皆さんいろいろ工夫していらっしゃいます。属性も切り分けることで、
あとでペルソナ起こすのに役立つことも。
ただカードおこすときに分類方法なんかを考えすぎると予定調和の
つまらないアウトプットしか出ないので注意。
動かす手が教えてくれることを信じられるか(笑)。


このグループには「考えるよりぜんぶ書き出せ」的アドバイスしたせいか、
一気に貼りきれないぐらいの量でうめつくされようとしていたw


面白い視点もありますよ。


ここはマップ書き出した。実務でも描くんだそうです。


さあ、だんだん整ってきました。


気づいたことは絵にしたり。模造紙にもどんどん書き込みましょう。


ここからは一気に提案にむけて、ガチでコンセプトワークです。

ここにきて男性がペンを持っていない、手を動かしていないのが散見されるように。
練習しにワークショップにきているので、上手い下手ではなくどんどんアウトプットするとよりいよいと思います。
自分もついついそうなりがちで、あまり人のこといえないんですが。


でも書いたのは女子だけあってやたらクオリティが高かったりw
「ちょっとちょっと!少女マンガみたいになってる!」と馬場さんに呼ばれた。


最後は各グループからの発表です。
個人的にうれしかったのは、弊社から参加した二人が二人とも、発表者だったこと。
発表したらえらいわけじゃないですが、なんかうれしいわけです。


たっきーもいつも通りしっかり笑いとってました。


GMOメディアのかおにゃさんと楽天の奥村さんは2年連続の参加。
もはや変な安定感が出てきてた。

全体として、昨年と比べると、マイナスをゼロにするだけではない発想ができていたと思います。特定のユーザーの特定の状況から生まれるエクストリームな片鱗をしっかり拾い上げて、価値に昇華させようという素地が参加者にあったと思います。ディレクターという企画よりの人が多かったこと、IAリテラシーがある程度皆さんお持ちの様子であったこと、などが原因かと勝手に思いました。

懇親会

懇親会は「げんてん」にて。去年は少人数&レベルが近かった→異次元の盛り上がり。でしたが、今年は大人な盛り上がりでした。それはそれで楽しめました。

 

最後に

これだけの規模のワークショップを快く引き受けて下さいました、浅野先生に心より御礼申し上げます。