「仮説ってどうやって出すのですか?」
「考えてみたのですが、これって仮説になってますか?」
など、仮説についての質問を様々な人から受けるようになりました。
「仮説~検証」サイクルで思考できる人が増えてきたのだと思っています。
一方で、どう仮説を導けば良いのか悩んでいる人も多いようです。かくいう私もそうです。
方法論についてはとても自由度が高く、どのやり方が正解とはいえない世界です。
見つめ直したい「ブライトスポット」
実は私は、ある考え方を取り入れてから、仮説の精度があがり、仕事の進みがよくなるという経験をしています。
それが「ブライトスポット」に着目する仮説立案です。
一昨年にスイッチ! 〔新版〕― 「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション)
という本を読んで早速仕事に取り入れはじめました(本の要約はこちらに記載しています)。
端的にいうと、「うまくいっている箇所に着目する」「そのエッセンスを広げる」。たったこれだけのことです。
問題に着目すると「脳」が過ちを犯しやすい
私たちは「問題に着目し」「問題を片っ端から拾い上げ」「できるだけ多くの問題を解決できる方法を考え」がちです。
このアプローチは、「わざわざしんどい目に遭おうとしている」ようなものです。
グロースハッカーが必要とされるぐらいですから、大抵そのプロダクトの課題は山積みです。
問題に着目するやり方は、脳が疲れ果てて、やる気が出なくなるのです。たとえあなた一人がやる気でも、チームがやがてついてこれなくなるかもしれません。
また問題が大きいほど、「解決策が見えなくなりがち」「問題とおなじくらい大規模な解決策を見つけようとしてしまう」傾向があるのです。
このため、成功確率が低くなり、成果をあげることが難しいのです。また成果が上がるのも遅くなりがちです。
グロースハックは「複利」で効いてくるもの。投資やローンをやったことがある人ならわかると思いますが、「小さくてもいい」「早く(貯め/返し)はじめる」ことです。
この視点からも、小さい効果を早く積み重ねるほうが有利です。
「ブライトスポット」を活かそう
ログを解析しても、ユーザーや関係者にヒアリングしても、どこか「うまくいっているな」と感じる箇所があるはずです。
例えば、「こんな変更を加えたら、この数字が伸びた」「ファンネルのここの率が意外といい」「こんなキャンペーンが意外とウケた」など。
理由がはっきりわかっていなくても、なにかよい芽が見つかればそれは金の鉱脈かもしれないのです。
そんなことが見つかったら「もっと極端にしてみる」「単純に繰り返す、頻度を上げる」「適用範囲を広げてみる」という、素朴なアプローチをとってみましょう。伸びなくなるまで使い切ってみましょう。
そんなプロセスから、「なぜこれが効くのか?」についてプロダクトやユーザーについて理解が深まり、シンプルだけど鋭い武器に研ぎすまされていくと思います。
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