Amazonの価値
よく利用するAmazon。単に「決済が楽」「送料無料」「すぐ届く」だけではなく「本を探しやすい」のも魅力です。
各分野で売れ筋から表示されますし、目次、中身、ユーザーレビュー。また同類の本もおすすめしてくれます。
書店の価値
それでもやっぱり、書店に行く楽しみというのが別にあり、それはネットでは実現できないと思います。書店の魅力はなんといっても「偶然の出会い」「手に取れる」。
「偶然の出会い」はネットでもありますが、出会える機会が圧倒的に違います。肉眼の解像度で立体的な陳列を取り込むわけですから、情報量が違います。陳列も書店担当者が「提案」しているので、恣意性があり、そのぶんデータからのレコメンド機能では実現できないセレクションになります。
「手に取れる」は言わずもがな、中身の全てに目を通すことができるので、どの本が一番価値があるのか?わかることができます。
人が生み出す価値(機械ではなく)
代官山蔦屋書店は大好きな場所のひとつです。そこにいる店員さんは、「コンシェルジュ」とよばれる、それぞれの分野に精通したスペシャリストなんだそうで。
ある日メディアで紹介されていたのは、旅行書コーナーの担当者。100以上の国を回り続けた旅行ライターがマーチャンダイザー。経験に裏打ちされた、旅行ガイドに限らない書籍を仕入れて売り場作りをしているだけでなく、客の志向や経験にあわせて本を提案。ときには旅行のテーマまるごと。
このお店がいいのは、他の書店に比べて圧倒的に「面白い出会い」が多いこと。
「知識」「経験」から、「今」「面白い」ものを知っていて、それを客に伝わる形で提案する。
ある人が「どんな経験をしたか」「経験をどう解釈したか」を真似することはできません。
そんなことをもとに、客にとっての「今日という日の出会いの瞬間」を演出する。
「誰がどんなものを買ったか」データを分析するだけでは到底実現できないものだと思います。
データで実現できることは極限まで拡大され、対価も下がり続ける。でも、それだけではできないことが、残る。人が追いやられるのではなくて、もしかしたら、人本来の意味をつきつけられ、本質に集中できるときがやってくるのかもしれないです。
データにはならない。言葉にできない。
でも好きだ。胸が躍る。
そんなことが、人生だ。
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