一昨年、購入したこの本ですが、なんの因果か「日本語版が出版されるのでワークショップに行きませんか」というお誘いをいただきました。もちろん、喜び勇んで参加してきました。
参加したのは以下2つのイベントです。
近頃この手の良書がどんどん日本語で読めるようになって有難い限りです(可能であれば、リリースと同時に翻訳予定を知りたいですw)。
ものすごい勢いでマンガちっくな表紙になってますが、使われ方がビジュアライズされててスマートかなと思ってます。
ワークショップ
2月1日のワークショップは、Tim Clarkさんが講師で行われました。
参加者は数十人。
- ビジネスモデル・キャンバスの概要説明
- 事例を参加者で考えて、概要を理解する
- 自分たちのビジネスを実際にキャンバスに描く
という流れで行われました。
Tim Clark先生。自身起業家であり、教育者。シンプルでわかりやすかったです。
自分の収穫:
短時間で使える実感を持てるまでに至った。
わずかな時間のワークショップで習得できる、こんな(ビジュアライズ)手法すごい。とても洗練されている。導入が容易。
一般的なビジネス知識があれば、誰でもすぐに理解できる。シンプルだが網羅的、原始的だが強力。なぜ今までなかったのかと思うぐらい。
自分は本を読んで、「とてもいい。で、どうする?」で止まってしまっていた。これは本を読んでも仕方がない。そして一人より複数のほうがいい。本を買わなくてもいい、ワークショップに参加しよう。体を動かそう。
今回やった、「自分のビジネスを人にモデリングしてもらう」というのがとてもよい。発見だらけ。お互いモデリングしあいっこしよう。
自分のグループには、三井住友海上キャピタルの堤さん、J-SeedのJeff Charさん、ほかがいらっしゃって、ガチガチに緊張してしまいました。ゆるい雰囲気と自分と同じような立場の参加者を想像していたので、心構えがw。
私のチームでは、ECナビを題材にキャンバスをつくります。当事者である私自身はインタビューされるのみ。チームメンバーが考えてどんどん付箋をはっていきます。これはなかなかよいやり方でした。
とはいっても、僕につきあってやって下さるのは日本を代表するベンチャーキャピタリスト。う~ん、贅沢微糖!
こちらは非営利団体、産学連携機構の例。
株式会社adingoを代表して、竹之内くんが健闘。
セミナー
3月5日のセミナーは、訳者である小山さんによる本書の解説。さらに、パネルディスカッションとして各界を代表する方々によるBMG論が展開されました。
100名の立ち見って激しいですね。会場の室温がぐんぐんあがりました。
小山さんによる本の概要説明。あらためて、パタン・ランゲージだと思った。
パネルディスカッション。Value Proposition と Target Segment がいかに大切かという点はとても激しく同意。
我らが宇佐美さんも登場。外部講演で話されるのを聞くのははじめてで、新鮮でした。もしやBMGと接点がないまま、話が着地するのか!?というスリリングな展開でしたが、最後は急降下爆撃で「だからBMGっていいよねっ!」と言い切ったときに「おおーっ!」てなりました。
また、このときにでた、「jobs to be done」「empathy map」の話は初めて知りました。といっても、デザインの世界ではよく知られた考え方ですが、価値を生み出すというやり方は時空を超えて同じなんでしょうね。
さて、このBusiness Model Canvasですが、どうしても、やったことがない人にとっては「固定的」に見えるようです。実際にふせんを使ってやってみると、決してそうではないことがわかります。また本書にかかれている「パターン」を活用することで、様々な組み合わせアイデアが生まれます。
個人的には巨大な立体パズルでガチャガチャピースを回転したり、入れ替えたりできるようにすれば、常に現状に縛られず、クリエイティブに進められるのでは?と思いました。
Business Model Creationもそうですし、IDEOのHCDカードも、地域社会の問題解決や価値創造を担っています。
このように「知的生産」を「定型作業化」することが、あちこちで進みつつあります。僕はこのような能力が、企業の成長力に大きくかかわってくると思います。なぜなら、クリエイティブ・ワークへの敷居が低くなることで、人数が多くなっても生産性が落ちず、むしろ上がるということが起こるからです。
そんな風に考えると、本当によい世の中に近づいていっている、と実感します。きっと人類の未来は明るいですよ。
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