社内でHCDワークショップ6:構造化シナリオ法

5月25日、6回目のワークショップ。

今回は前回作成したユーザーおよびユーザーのゴールを、ビジネス側の提供シーズとぶつけ、具体的な製品の青写真に落としていきます。

「構造化シナリオ法」とは、日本人間工学会アーゴデザイン部会が開発した「ビジョン提案型デザイン手法」における中核的な手法です。

ユーザーとビジネスの接点からサービスのコアコンセプトとして「バリューシナリオ」を作成、そこから利用シーンごとにアクティビティシナリオへ、さらにインタラクションシナリオへと具体化していきます。
ビジョン提案型ではこれら3シナリオを進める中で、「発散」「収束」を繰り返すことで、精度の高いプロダクト開発が可能になる。また単なる問題解決ではなく、これまでにない視点を生み出すことが可能だと思います。

このワークショップでは一連のビジョン提案型をすべてやるわけではありませんが、得に「アクティビティシナリオ」→「インタラクションシナリオ」にフォーカスして、「コトのデザイン」「モノのデザイン」ができるようになることを目指します。

 

実施内容

タイムスケジュールはこちら。

今回のキモはやはり「アクティビティ=コト」と「インタラクション=モノ」を切り分けられること。

アクティビティシナリオはテクノロジーに依存しない。
よって江戸時代でも現代でも変らない社会の基本的な活動シナリオ。
講義の中では「食べログ」のアクティビティシナリオとして、「人の評価を知って飲食店にいく」様子を、「江戸時代の御侍さんがかわら版を見ていく」「スマホで食べログを検索する」インタラクションの違いとして紹介いただきました。

よく「Aという情報出してBという機能つけたら、ユーザーはモチベーションあがって、こんなアクションするはず!俺たち儲かるぜ!」という勢いでサービス化してしまう。などということがあります。そのようなプロジェクトの成功確率が低い理由は、「インタラクションとして成立しても、アクティビティが成立しない」。人間の行動原理にないものは使われることはない。ということです。
どんなにテクノロジーが進化して、画期的なインタラクションが実現されても、その背景には変わることのない人々のアクティビティシナリオがあるのです。

そんなことを講義で学んで、スタート!

今日は最初から最後まで、ひたすら机に向かって書き込みます。前回の評価リッドとペルソナを見ながら、まずはバリューシナリオづくり。

聞きなれない言葉に何を書き入れていいやら・・・
さらにビジネス側のことが急に出てくるため、考えこんでしまったり。
先生にグループをまわっていただき手ほどきをうけます。

ここは皆で手を動かしながらどんどん埋めていくあたりうまいですね。

素材集ばりのコラボ感あるフォーメーション。

バリューシナリオからいくつか利用シーンを抽出。手分けしてアクティビティシナリオ→インタラクションシナリオをつくります。

できあがったら、シャッフルディスカッション。
シャッフルディスカッションとは、各Gから1名が別のGで説明を受けます。説明をする人はグループから1人のみ。利点は「グループ内で共通認識が持てていないことに気づける」「話してみておかしな点に気づける」「聞き手におかしな点を指摘してもらえる」。

説明する人は熱が入ります。

聞き手の人も真剣に指摘してくれています。

初めてのことなので、「いまやっている工程」は、「後の工程」をやっているときにはじめて意味がわかることもあると思います。
モヤモヤしながら進めるのはストレスフルですが、「とにかくやりきって体で覚える」こと。そんなワークショップだからこそ、短時間に、実感をもって意義を理解し、「実際にできるところまで」たどり着くことができます。あとひといき、頑張りましょう!

終了後

いつもの渋谷「げんてん」にて。

料理が進化していきますね。

 

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