社内でHCDワークショップ2:オブザベーション(観察)

ワークショップ第2回はカップ焼きそばを使ってのオブザベーション。
7チーム×3個のペヤングを使います。会場はたちまちペヤング臭で満たされたのでした。

お題は「新しいカップやきそばのパッケージを提案しなさい」というもの。16時スタートで4時間で完成させます。手段としてカップ焼きそばを食べる様子の観察&そこから得られたファクトを整理する方法としてカードソート。そして提案のアウトプット方法としてペルソナ&利用状況を4コマ漫画で。
具体的に何をどうやるの?ということが、いまいちわかってない状況下、人と協力してこの時間内にやり遂げるのは結構ハードです。

ちなみに、「焼きそば食うよ」ということは事前に言っていませんでした。これは参加者には結構困惑だったようで(間食しちゃったとか、晩飯食えなかったとか)反省です。


まずはオブザベーションとは何ぞや、という軽い座学。「あなたたちがやるワークショップは省察に相当するものなんですよ」とかって自分もはじめて聞くコンテンツもありました。
続いて、今日やることの説明。うーん、耳慣れない言葉もあったかなー。とにかく、スタート。

自分はといえば、ひたすらお湯の準備です。7班が一斉にお湯を注いでは捨て、そして食べたら焼きそばをゴミ袋へ。を3回くりかえすわけですから、結構なことになってしまいます。2台の電気ケトルがフル稼働。念のために大なべにお湯も沸かします。
忘れていたのがゴミ箱。湯切りバケツは忘れないんですけどね・・・。ゴミを捨てるまでが観察。


お湯を入れて・・・。


お湯捨て~る。
グループごとに焼きそばを食べる行為を3回繰り返します。5人チームのうち3人が食べます。
1人が被験者、1人がモデレータ、残りが観察者(記録者)です。


ここのチームはiphoneを使って動画を記録。


このチームはipad2を使って動画記録しています。

ただし、動画を見直して発話・動作・エラーを書き起こすとなると、時間が2倍かかるのだよ・・・。僕は「念のため」に調査やテストを動画記録したりしますが、見返すことは基本しません(キリッ
だったら言ってよ。と言われそうですが、それぞれの良いとこ、悪いところは一度身をもってやってみるのが一番だと思ったりしています。
ちなみに大きな企業だと、調査結果を書類でシェアするだけでは組織が動かないため、動画を編集して、それを見せてインパクトを出すんだとか・・・ツラいそんな労力割きたくないよ~!(あ、これは観察じゃなくてユーザビリティテストの話でした。でもいやだ。)


こちらの方は割り箸をつかってフタをおさえています。熱くないし、確実にフタを押さえられるというハックなのだそう。なるほど!


焼きそばからの排水がありえない色に。なぜこうなった。なぜ先にソースを入れた。
でもノーマン風に言わせれば、「こんなエラーを引き起こすことが明らかなデザインあり得ない!」ということなのでしょう。


割り箸を折って中に入れてから捨てる人もいました。


ひととおり終わったらインタビューです。その人のカップ焼きそばの利用状況(どれぐらいの頻度で、どんなときに食べるか?など)について半構造化インタビューを実施します。具体的なインタビュー内容はリストアップして渡していません。その場でみんな考えます。ちょっと戸惑うけど、最後までやってみて、「ああ、こういうことか!」とわかってから「もっとこんなことを聞いておけば」と思うことが重要。そこではじめて「自分はいったい今何をやっているのか」本質を体で理解できる。ワークショップなのでまたすぐ聞けますし。仕事だと被験者が帰ってしまっていておいそれと聞けないとかよくありますよね。

インタビューまでを3セット行ったら、セットごとに書き留めた観察内容をひとつのシートにまとめます(観察者が複数いるため、データがバラけている)。

それができたら、カードソート。観察した事象>問題点抽出>解決策 を作業ステップごとにまとめます。
具体的なイメージがないままやるのはちょっと大変。でもとにかく書き出す。何度かやれば強烈なチーム生産性向上ツールに。


室内7か所でカードソート合戦。他チームを見るのは自由。アトリエ型授業の醍醐味。


カードソートができてきたら、ペルソナシナリオづくり。エセナチュラル・・・。


ファクトベースとはいえワークショップ用の仮説なのである程度の想像力を使います。


このチームは利用状況の提案を4人が同時にスケッチ。素晴らしい!このフットワーク。コトのスケッチは誰でもできるしそんな難しいものではない。絵のウマいヘタではない。とにかくアウトプットすること。


チームごとに発表。発見した事象、問題点とそこから導き出した改善案。自分たちのワークの流れを説明します。
発表したら先生の講評。


このひと、実は提案した新しいパッケージのカップ焼きそば利用状況を、演じています。
4コマ漫画が間に合わなかったのか。期せずしてアクティングアウトを実践することになりました。よかったですね(笑)。




皆さんよくまとまってました。でも、「これはここがよくて」「こんなこともできて」とアイデアもりもりに走りすぎて・・・ど~しても「コト」じゃくて「モノ」に偏ってしまうことも。

7チームの発表が終了。金曜の夜に、お疲れ様でした!
まだ「ワークショップ」という手法そのものに慣れていないので「何かわからないままやってみる」ことの気持ち悪さとかがあると思います。また、HCDのプロセスを一周するまでは、やはり「なんのこっちゃわからん」というのがあると思います。
そのときそのときのワークショップを楽しみつつ、「今の時間で自分は何を得たのだ?」「何に活かせそうか?」「そもそも、自分の参加の目的」みたいなものを振りかえってほしいなと思っています。
最強の組織にしたい。


終了後はピザをとって軽く振り返り。学生さんは飲めないのでソフトドリンクw まだ19歳だって!19でこんなHCDとか勉強しちゃってたら、ヤバいよね!
今回も浅野先生、ありがとうございました!

ボヤージュグループ HCDワークショップ 第2回 オブザベーションWS – 情報デザイン研究室

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